2006年06月20日

父の日に寄せて−一人の父親は百人の教師に勝る


kosumosu001.jpg以前紹介した父に関する記事を「父の日に寄せて」と題して琉球新報に投稿したところ採用していただき、父の日の6月18日の日曜日の朝刊の「論壇」に掲載されました。

日頃親父孝行がなかなか出来ない私にとって、父へのささやかなプレゼントになったと少し喜んでいます。

今日はその記事を以下に紹介します。サブタイトルは「一人の父親は百人の教師に勝る」です。


アメリカのある牧場経営者が、自分の小さな息子たちそれぞれに子牛を与え育てさせることにしました。

子供たちは大きな黄色い叫び声を上げ、本当に大喜びします。

自分自身の本物の牛を育てることができるのです。

子供たちは朝も早くから起き、一生懸命自分の牛の世話をします。

ところが、全く要領を得ません。

時々様子を窺っていた隣の友人が、ある日ついに見かねて父親に一言声をかけました。

「お宅のお子さんたちは全く要領を得てはいませんね。あれじゃーだめですよ。」

するとその父親いわく、

「私は牛を飼っているのではなく息子たちを育てているのですよ。ご心配なく。」

私はその父親の言葉にとても考えさせられました。

「お腹のすいた人に一匹の魚をあげれば、それを食べた後その人はまたお腹がすく。しかし、魚の取り方を教えれば、その人は一生自分で食べられるようになる。」

とはよく聞く名言です。

人を支援するに当たって、その人が真の自立へ向かって歩めるように助けることの大切さ―福祉の根本原則を説いたものです。

アメリカの偉大な指導者ジョセフ・スミスも次のように述べています。

「私は、人々に正しい原則を教え、人々に自らを治めさせる。」

本当にすばらしい教えだと感銘を受けました。


幼い頃、私の父は小さな畑を借りていて、一日の仕事を終えて後、毎日のように私たちを連れて畑仕事に精を出しました。

汗と泥にまみれ、疲れる雑草抜きや土興し等は、遊び盛りの私にとってとてもつらい仕事でした。

特に他の友人たちが、みんなで楽しそうに遊んでいる時の畑仕事は、最もつらい仕事と感じられました。

そんな中での唯一の楽しみは、畑を耕す中で出てくる古銭や戦争当時の機関銃・短銃の弾を集めること(危険な弾は後で父に没収されましたが…笑)と、収穫したトマト、キュウリ、トウモロコシ等を思いっきりほおばることくらいでした。


あれから30数年の月日が流れ、私も結婚し、6人の子供たちに恵まれました。

その子供たちがちょうど当時の私と同じ年齢になった今、父と同じことをしている自分に気づきます。

猫の額ほどの菜園で、子供たちと共に土に親しみ、野菜を育てつつ、勤勉、忍耐、責任、倹約の大切さ、生き物への慈しみや自然への感謝、そして共に家族が協力して働くことの尊さを教えているのです。

父は母と協力して、野菜を育てていたのではなく、私たちを育てていたのだと今分かります。

あのアメリカの牧場経営者のように……。

教職に就いていたわけではありませんが、父と母は、私にとって最高の教師でしたし、今も変わらぬ最高の教師です。

ジョージ・ハーバートソンの次の言葉は、私から父と母への心からの賛辞です。

「一人の父(母)親は、百人の教師に勝る。」


そこで一首。

「子や孫と 畑で野菜 育てつつ 人を育てる オジーは教師」



posted by HappyLifeRealize at 16:02| 沖縄 ☔| Comment(4) | TrackBack(0) | 家族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
安里さん、こんにちは!沖縄の元気オジーオバー・・
のデジタル図書購入しました。
始めの10ページ程を読んで安里さんのお母様の話のところで感動です。

すばらしいお母様ですね!物質で満たされないと、心まで貧しくなりそうですが人の気持ちに共感できる優しい想像力をお持ちの方なのですね。その教育方針の下で育った安里さんもまた人に幸せを分けてあげられるお人柄なのでしょう。文は人なり!です。

今日のお話しで父親が息子に口出ししない、自立への
道をじっと我慢して待つこと・・。我が家のしつけと
近いところがあり、同感です。

小学一年からできること(家事の手伝いなど)を係り
にして続けさせました。今では料理以外は何でもできます。手を貸せば簡単ですが、待つのは忍耐です。
しかし、失敗すれば学ぶことが多く、知恵もつき、自信にもなります。

現在一人暮らしをしている息子が、家の手伝いをしてきて良かったと言ってくれます。その一言で今までの
苦労が報われます。(親泣かせの悪ガキでしたから)

今日のお話しで子育ては自分育てだなぁって思いました。
Posted by ミモザ at 2006年06月21日 15:49
ミモザさん拙著のデジタル書籍「沖縄の元気オジー・オバー…」を購入下さり本当にありがとうございました。とても嬉しいです。
沖縄の元気オジー・オバーたちからたくさん元気をもらって病気も吹き飛ばして下さいね。

私は本当に良い両親に恵まれたと感謝していますが、自分自身はまだまだ未熟で、両親の足元にも及びません。
ミモザさんの息子さんのお話はとても感銘を受けました。
忙しさにかまけて、最近は家内任せにしている子育て、私ももう少し身を入れて精進します。
ミモザさんの模範に倣いながら……。

今後ともよろしくお願いします。
Posted by 沖縄の安里 at 2006年06月22日 02:15
安里さん、とても素晴らしいプレゼントがありましたね!
そして何より、お父様への最高のプレゼントになったんですもの、
思い出に残る父の日でしたね。
皆さんの笑顔が目に浮かびます。

お父様に絶大なる尊敬を念を寄せている安里さん。
その背中を見て育っているお子さん達。
自分の生き方を見せる事が、教育なのかもしれませんね。

いつも深いお話しをありがとうございます。

P.S 私もエッセイを購入させていただきましたが、
   ゆっくり読ませて頂きますね!
Posted by ミエル at 2006年06月23日 21:57
ミエルさんへ
インフルエンザの息子から少しうつされて、2日ほど体調を崩してしまいました。
返事が遅れてしまってすみません。
いつも温かなメッセージ本当にありがとうございます。
子供たちには大した背中を見せられていないのでとても恥ずかしいのですが、一生懸命マイペースで頑張ります。
今後とも色々ご支援をよろしくお願いします。
それからデジタル書籍の購入ありがとうございます。
ミエルさんの詩を拝読するたびに自分の作品がちょっと恥ずかしくなるのですが、たくさんの方々に読んでいただければ本当に嬉しく思います。
ありがとうございました。
Posted by 沖縄の安里 at 2006年06月26日 00:13
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